◎鍼灸 出すべき風がこもって有アイッーと思った心の風が口迄出して外に出さず其風が身の内にこもってきや/\と痛み出すようになる是れには針をする。針で穴をあけるから其風がぬけるでなおる又心に思うて怨み心くさらす腐れ水の廻りて痛むは灸をして其水をかわかすからなおる是れは水である風であると云う事を見てやったものである。故に風と思うて水に針をなし水と思うて風にきうをするから針やきうで身をしもう。針は大食天様風は惶根様水は月様故に日様でぬくめるから陰陽和合の理で直る是は皆理がきくなり薬なども皆天の理から神が人間に入込で古へより教え被下て居るものなり。
例えば疳の虫の子供に垂れ柳の虫が薬にきくと云うは親の癇癪の埃であるから下り柳の如くこちらから押せばさらり/\とあちらから突けばさらり/\柔らかなる此の心の理が利く。
根太が股の如き処に出るのに牛蒡の種を飲めば口目が立つと云うは牛蒡は四柱の理。破軍星の剣先であるから股に其のたねが行くのではない飲んだ種はけつに出るけれど其の理がきく皆こう云う道理から薬も出来て在る。此世に有る万ずの物は神の理から一切出来立ちてあるを以って理の無きものは一物なし。
又神様も何か縁がなくては助ける事が出来んから例えば病気となれば何程強欲者でも高価の薬代も払うと云うようなもの人に怨みを受けて欲を深くして拵えた金でも身には代えられぬから何んぼ金が入っても助けにゃならんと云う家内皆欲い惜いにはなれた其心の理神神仏様信神一心祈る心と旅金も惜しまず、其の心を受取って遂になほる如く惜んでいれば金は使うは身は助からんと云うようなもの「此世に何にがきくとは思うなよ心の誠真実がきく」と仰下さる。
神様を信心する事は一切嫌いで只医薬だけで熱心に治そうとすれば又天は心通りで何れ天の理で出来て居る薬故、又医師も皆神が入込んで使うて下さるものなれば、病が治する理になるから一層神様を反対にする医薬だけを尊ぶ事が世界にある。